テムズ川に沿って
(Along the River Thames)
ロンドンを流れる川といえば、テムズ川です。テムズ川の水は美しく澄んだ水ではありません。ロンドンのどんよりとした曇り空と同じように、何となくどんよりと流れているような気がします。
ロンドンとテムズ川の関係は、東京と隅田川、荒川、あるいは神田川等の川との関係とは大きく異なると思います。東京(江戸)とそこを流れる川の歴史よりもずっと古い歴史を持っているからです。
ローマ時代、すでにロンドンはブリテン島の中心的都市でした。そして、テムズ川に最初に橋をかけたのは、ローマ人であり、それは現在のロンドン・ブリッジのあたりでした。このあたりが選ばれたのは、それ以上下流になると地盤が悪く、橋の建設に適さないと考えられたためです。
ロンドンの政治・経済・観光の中心は、テムズ川の少し北側にあります。ウェストミンスター(東京でいえば霞ヶ関))、ウェスト・エンド(同じく銀座・日比谷)、シティ(同じく大手町・丸の内・兜町)とよばれ� �地区はみな北側です。
そして、ロンドンの重要な建築物は、その多くがテムズ川沿いまたは近いところにあります。近代的なテムズ・バリアや有名なグリニッジを過ぎ、ドック・ランズの高層ビル群を過ぎると、タワー・ブリッジがあります。タワー・ブリッジは、七つの海をまたにかけた日の沈むことのない大英帝国の象徴であり、海からのロンドンへのゲートとなっています。
カントンilは何のために有名である
次にあるのはロンドン塔です。 セント・ポール寺院もまた、テムズ川から見る光景は印象的です。有名な国会議事堂は、テムズ川の北側の河畔に位置し、テムズ川が南北方向に湾曲しているところにあります。テムズ川とビッグ・ベンの風景はロンドンを代表するものです。
下2枚、テムズ・バリアー
以下、航空写真は、"London from the Air" by Jason Hawkes and Tim Kendall published in 1992
下2枚、グリニッジのロイヤル・ナバル・カレッジ
下、ドックランズのカナリー・ウォーフ(ドックランズの風景は一変していることでしょう)
左、タワー・ブリッジとロンドンの眺め、右、ロンドン塔
18世紀に版画に描かれたロンドンとテムズ川の風景
ロンドン塔より少し川下から川上方向を描いたものです
ロンドン塔とセント・ポール寺院、ロンドン・ブリッジが描かれているのがわかります
当時ロンドン・ブリッジには橋に建物がありました
(出所)ギルド・ホール・ライブラリー
18世紀にベネチアの画家、カナレットが描いたウェストミンスター・ブリッジのアーチから見たロンドン(1746-1747年)
ウェストミンスター・ブリッジより川下を描いたもので、右側奥にセント・ポール寺院が描かれています
当時ウェストミンスター・ブリッジは建設中だったということです
北斎や広重を思わせる大胆な構図です
下、� ��ワー・ブリッジの開通式(1894年)を描いた絵
painting by William Wyllie,1894
下、19世紀にロンドン・ブリッジを描いた絵
(川下にタワー・ブリッジがうっすらと描かれています)
ナンシー·ペロシは誰ですか?
左、セント・ポ−ル大寺院の上からの眺望、
右、ウォータール・ブリッジとその向こうのセント・ポール大寺院とシティの眺め
やがて国会議事堂が近づいてきます
左、サウスバンクより、川下のウォータール・ブリッジとシティの方向の眺望
右、サウスバンクより、川上方向の国会議事堂の眺望
サウス・バンクからはビッグ・ベンが美しく眺められます
散歩するにもよいところです
左、ビッグ・ベンとウェストミンスター・ブリッジを描いた絵
左、フランスの印象派の画家、クロード・モネが19世紀に描いた国会議事堂とテムズ川
そして、国会議事堂を後に
左、テムズ河畔にあるテート・ギャラリー、右、バターシ・パークを対岸に下流方向を見る
左、チェルシー・ブリッジ、右、ハマースミス・ブリッジ
キュー・ブリッジを過ぎると、テムズ川は、東側のキュー・ガーデンズと西側のサイオン・パークの間を流れてリッチモンドへ向かいます。リッチモンド、トゥィッケナム、キングストンを過ぎると、テムズ川はハンプトン・コート・パークのまわりを大きく蛇行してハンプトン・コート・パレスを通り過ぎます。さらに上流方向に行くと、ウィンザー城を通り過ぎます。
恐怖を窒息させる
左、キュー・ガーデンズ→見る、右、サイオン・パーク→見る
どちらの写真でも上側にテムズ川が流れています
下、リッチモンド・ブリッジにて
下、リッチモンド・ヒルにて
テムズ川の下流方向への眺望が美しい所です
左、ハム・ハウスのあたりのテムズ川の流れ→見る、右、マーブル・ヒル・ハウス→見る
18世紀に描かれたテムズ川の絵
右側にマーブル・ヒル・ハウスが描かれています
ハンプトン・コート・パレスとテムズ川→見る
朝靄のウィンザー城とテムズ川→見る
左、ボールターズ・ロック、右、メイドンヘッド
テムズ川をさらに上流方向へたどると、イギリスならではの美しいカントリーサイドの風景とともにテムズ川が流れています。時間に余裕があるならば、テムズ川のクルーズの旅をしてみることは、さぞや有意義であるに違いありません。
テムズ川下りが描かれた小説としておすすめなのはジェローム・K・ジェロームという作家が1889年に出版した「ボートの三人男」(丸谷才一訳、中公文書)というユーモア小説です。三人の20才台(と思われます)の青年と一匹の犬が、キングストンからオックスフォードまでテムズ川をボートで下る物語です。テムズ川河畔の多くの地名が登場します。読んでからテムズ川沿岸の旅をするか、旅をしてから本を読むか、どちらでもとても有意義だと思います。書かれた時代は100年以上も昔ですが、ストーリーは古さをあまり感じさせません。お笑いが随所で出てきますが、イギリス人というのはこういう人種だと感じさせる、とても興味深く面白い小説です。
下、ブレイのテムズ川河畔のレストラン
下2枚、クリーブデンの下を流れるテムズ川→見る
下2枚はマーロウにて、左、マーロウ・ロック、右、コンプリート・アングラー・ホテル→見る
下2枚、ヘンリー・レガッタの開催されるヘンリー・オン・テムズ→見る
レディングとゴアリングの間を流れるテムズ川→見る
キュー・ガーデンズ
サイオン・パーク
マーブル・ヒル・ハウス
ハム・ハウス
ハンプトン・コート・パレス
ウィンザー城
イートン校
クリ-ブデン
マーロウ
ヘンリー・オン・テムズ
バシルドン・パーク
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